申し入れは次の通りです。
佐世保市長 光武 顕 様
米原潜放射能漏れ事故真相解明と米原子力艦艇佐世保寄港中止の申し入れ
原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会 会長 篠崎義彦
文部科学省は9月27日、横須賀港から出港した米原潜ホノルルの艦尾付近で採取した海水から、放射性物質のコバルト58とコバルト60を検出したと発表しました。これらの物質が検出されたのは1964年に調査を開始して以来はじめてのことです。
これらの物質は天然には存在せず、今回は米原潜ホノルルの後方100メートル以内の範囲内で採取した海水から検出されたこと、基地内に設置されている4箇所の放射能測定器からは異常値が出ていないことから、ホノルル号が垂れ流しの元凶であることはほぼ確実です。
これまで放射性物質垂れ流しの疑惑があきらかになっても、米軍は事実を否認し、日本政府もそれ以上追及してきませんでした。しかし、今回は、言い逃れは通用しません。
米政府は四月公表の原子力艦船の安全にかんする文書で、原子炉は「四重の防護壁」によって放射能の流出はないと強調していました。それにもかかわらず、今回、放射性物質漏れが起きました。原子炉内にとどまるはずの放射性物質が垂れ流しになったのですから、米政府が原因を解明するのは当然のことです。
米政府は今回の事故の原因をすべて日本国民にあきらかにする責任があります。六八年の佐世保港での原潜ソードフィッシュ号の放射性物質漏れ事故では米側は事実隠しに終始しました。放射性物質の放出はないとの言い分を裏付ける科学的説明や資料について「軍機に触れる」ことを理由に提供を拒否しました。このとき、日本の原子力委員会(当時)でさえ「遺憾」の表明をしたのは当然です。
佐世保市長の市民に対する安全性の根拠は、この米国政府のフアクトシートでした。しかし、今回、このフアクトシートの信憑性が根底から崩れ去ったわけですから、市長の安全性説明も根拠を失ってしまいました。ただちに米原子力艦艇の佐世保寄港は「ご遠慮する」という態度表明を求めるものです。
要請事項
1、横須賀事故の真相解明と事実公表を日本政府に求めること。
2、米原子力艦艇が放射能漏れを起こすことが明らかになった以上、同艦艇の佐世保寄港中止を日本政府に求めること。
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